アリスの可変定電圧ミニ・レギュレーター(miniReg)の巻き その1

 

アリス  「先生〜。みみずく先生〜。」

みみずく 「どうしたんだい、アリス?今日はせわしないな。」

アリス  「5V用と、−12V用の三端子レギュレーター持ってませんか?余ってたら分けてほしいんです。」

みみずく 「いいけど、何に使うんだい?」

アリス  「いま、音がよいことで有名なギター・アンプのキットを作っているんですけど、パーツが足りないみたいなの。
      早く音が聴きたいから、みみずく先生に分けてもらおうと思って。」

みみずく 「なるほどね。ちょっと待っておくれ…。…ゴソゴソ…。あ、5V用はあるけど、−12V用が無いなあ、悪いね、アリス。」

アリス  「それは残念です。そういえば、マイナス用のレギュレーターって最近手に入りにくくありませんか?」

みみずく 「そうなのかい?私は三端子レギュレーターはめったに使わないからなあ。
      マイナス用はそもそも需要が少ないし、扱うお店が減ってきたのかも知れないね。」

アリス  「あ〜あ〜。楽しみにしてたのにー。」

みみずく 「作っちゃえばいいじゃないか。簡単なんだよ?」

アリス  「簡単なんですか?どうやるの?」

みみずく 「ディスクリートでやるのさ。」

アリス  「ディスクリート?」

みみずく 「そう、トランジスターやらFETやらの個別(ディスクリート)パーツを組み合わせて作るんだよ。」

アリス  「なんか、手間がかかりそうですね。それに、こういっては何ですが、ジダイオクレなイメージが…。」

みみずく 「時代遅れなのは確かだ。」

アリス  「何かメリットがあるんですか?」

みみずく 「もちろんあるよ。まず、自分が必要とする仕様のものをカスタムで作ることができる。」

アリス  「でも、性能が低そう。」

みみずく 「それは、むしろ逆だよ。
      ディスクリートのトランジスターはICやLSIの中に作りこまれたものよりも、ひとつひとつが最適化されており性能がよいことが多い。
      IC全盛の今でも、極めつけの性能が必要なところにはディスクリート回路が使われる。
      トランジスターを選ぶことでチューニングも可能だ。それに、なんと言っても音がよい。」

アリス  「え♪音がいいの♪?」

みみずく 「私が試してきた限りはそうだったよ。」

アリス  「ぜひ、教えてください。みみずく先生。」

みみずく 「そうだね、今のアリスにはちょうどよい勉強かな。それじゃあ、今回のテーマは『可変定電圧電源』だ。」

アリス  「可変?」

みみずく 「電圧を自由に設定できるということだ。さまざまな用途に応用できる。
      ギター・アンプに使うのだから、せっかくなら音のよいものを目指そう。」

アリス  「わーい、楽しみだわ♪」

みみずく 「というわけで、宿題。TL431について調べてくるように。」

アリス  「TL431?何ですか、それ?」

みみずく 「ICだ。」

アリス  「ディスクリートでやるんじゃないの?」

みみずく 「まぁ、そうなんだが。これを調べてくるんだ。」

アリス  「はーい。わかりました。」

 

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