J-FETの選別方法(簡単高精度)
アリス 「トライパス初段直結化DCアンプスペシャルやOPALディスクリートアンプの初段にはJ−FETが使われています。
このFETには特性のそろったペアリング品を使った方がいいのですが、それには測定して選別をする必要があります。
さて、どうすればいいのでしょう?」
みみずく 「まず、FETに限らず半導体の特性のバラつきはとても大きいという事情がある。
解決策として、バラつきを調整する為の回路を使うことも出来るのだけれど、
FETをペアリングして調整回路なしで使うことにも大きなメリットがある。
一般的なペアリングはIdss(ゲート、ソース間を短絡した時のドレイン、ソース間電流)を測定することで行なうことが多い。
ペアリング選別品として市販されているものは基本的に全てこの方法で選別されている。
ただし、これは簡易的な選別方法なので、
ゲートソース間にバイアス電圧がかかる実際の動作状態ではペアリングのバランスが崩れてしまうことも多い。
要はペアとして機能していないことがある。」
アリス 「わたしも買ってみたことがあるんですが、選別品と言う割には期待したほどではありませんでした。
たまたまハズレだったのかもしれないですけど。」
みみずく 「小売店の実務上、仕方ない面はあるんだけれどね。
それに、どんなに頑張ってもIdssによる選別には限界がある。」
アリス 「と言うわけで、もっと高精度な選別をするための方法です。」
みみずく 「選別の目的は、アンプ内部での動作状態に近い条件でゲートソース間のバイアス電圧が近いペアを得ること。
やり方はイロイロあるけど、ここではいちばん簡単そうな方法でやってみよう。」

アリス 「測定対象に定電流を流してゲートソース間の電圧を測定してペアリングするんですね?」
みみずく 「そう。例として2SK30GRを挙げたけれど測定対象は他のFETでもよい。
測定のコツとしては、周辺温度の影響で数値がコロコロ変るから、
出来るだけ室温を一定にして風の当たらないところで一気にやってしまうのがいい。
測定に時間をかけていると温度条件が変ってしまいペアにならない。」
アリス 「ブレッドボードとテスターがあればすぐに出来ますね。」
みみずく 「そう。根気さえあれば決して難しくは無い。
時間はかかるけど案外簡単にペアは取れるよ。」
アリス 「皆さん、是非頑張ってみてくださいね。」
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