アリスのリニア電源マザーボード LDM2041/LDM2042

 

アリス  「わたし、久しぶりにやる気になったんです。」

みみずく 「そういえば、ここ最近は音沙汰が無かったな。
      引き篭もりにでもなったのかと少々心配していたぞ?」

アリス  「あ〜っ、失礼しちゃいますね〜。
      ちゃんと社会活動してましたよぉー。
      あたし、お友達だっているんです。
      みみずく先生がお忙しそうだからお邪魔するのは遠慮してたんですよ!」

みみずく 「え、そうなの?それは気を遣わせちゃったね。」

アリス  「いーえ。まぁ、わたしもこちらの方はここのところ放置気味だったもので…」

みみずく 「なるほど、つまりやる気が無かったわけだ。」

アリス  「こう見えて、あたしは移り気なのです。」

みみずく 「それで?久しぶりにやる気になったアリスは何をするつもりかな?」

アリス  「あ、そうでした。
      今回はちょっと便利な電源基板をつくってみようと思うんです。」

みみずく 「ふむふむ。」

アリス  「実はしばらくサボっ……他のイロイロなことに興味を持っている間に、
      電源についての要望メールをいくつかもらっていたんです。
      内容はこんな感じです。」

・トロイダルトランスが実装できる電源基板がほしい。
・多出力の電源を自作するのは骨が折れるから簡単にできる基板がほしい。
・トランス、整流ダイオード、平滑コンデンサー、レギュレーターを一枚にまとめた基板がほしい。
・整流ダイオードにセラコンかフィルムコンをパラにつけるスペースがほしい。
・できればスリムでケース内にレイアウトしやすい基板がうれしい。

みみずく 「もっともな要望だね。整流ダイオードにセラコンをパラにするのはわりとマニア向けかな。」

アリス  「要望ももらっているし、せっかくなら役に立つようなものをつくろうかと思ったんです。
      それで、miniReg2opeReg を使っている方に用途を聞いてみると
      自作DACの電源に使用されることが最も多いことがわかりました。
      DAコンバーターは贅沢に作るとたくさんの電源が必要なんだそうです。」

みみずく 「なるほど、いいDAコンバーターをつくろうとするなら確かにそうだ。
      プリアンプなども本格的に作るとたくさんの電源が必要になるね。」

アリス  「というわけで仕様を考えてみました。」

・基板実装型のトロイダルトランス(並列2系の巻線仕様)を使えるようにする。
・絶縁された独立2系統の電源ライン(Aライン、Bライン)
・Aライン、Bラインのそれぞれに自由に接続可能なレギュレーター(miniReg2、opeReg)を4基搭載可能。
・各レギュレーターには放熱器を使えるように。
・CRフィルターにより同一ライン上のレギュレーター間のセパレーションを確保。
・A,Bの非安定出力を用意。C3BやV.Reg2つなぐことで容易に出力数の拡張が可能。
・トランス2次側の並列2系の巻線を直列1系に変更可能。
・整流ダイオードにコンデンサーのパラスペースを用意。

みみずく 「要望に忠実だな。」

アリス  「そうですね、せっかくつくるんですから。
      新基板の名前なんですけど、

      『 リニア電源マザーボード ⇒ LDM 』 としました。

みみずく 「日本語と英語が混ざってるんだな。
      まあ、意味はわかるが。」

アリス  「LDM2041(正電源4出力2系統)とLDM2042(正電源2出力、負電源2出力)の2種類を用意します。」

みみずく 「ふーん、2枚の基板に分けたのはいいかもね。」

アリス  「はい、メールをくれた方によるとDACの自作には+3.3v、+5v、+15v、−15vが
      左右であわせて8つほど必要になることが多いそうなのでそれを想定してみました。
      2枚に分けた方が基板がスリムになってケース内のレイアウトもやりやすくなるでしょうし、
      更に出力数が必要な場合にはC3BやV.Reg2を増設することで拡張すればいいやと考えました。」

みみずく 「おぉ、なかなかいい割り切りだと思うぞ。
      正電源のみが必要なことも多いだろうから無駄が無い。
      わたしも是非、実験に使わせてもらおう。」

アリス  「えへへ♪そう言ってもらえるとなんだか嬉しいです。久しぶりに誉められました♪」
      えーっと、以下は回路図です。」

 

みみずく 「トランスとブリッジがフリーコネクトで電源ラインと各レギュレーターもそうなっているんだね。」

アリス  「そうなんです、正電源用のLDM2041のレギュレーターはA,Bどちらの電源ラインにも繋げるようになっています。
      通常はこのように使います。」

 

アリス  「Rはそれぞれのレギュレーターの為にCRフィルターを構成してセパレーションを確保します。」

みみずく 「ふむふむ。」

アリス  「CRフィルターは使用する状況によってベストなセッティングが変るので
      面倒な場合は0オームのジャンパー線でも構いませんよね?」

みみずく 「そうだね、特に問題は無い。
      RのかわりにL(インダクター)を使ったLCフィルターも可能だね。
      CRとはまた違った良さのある音がする。」

アリス  「LDM2041はトランスの2次巻線を直列にしてこんなセッティングもできます。」


みみずく 「この場合は出力電圧を2倍にできるからトランスの利用範囲が広がるな。」

アリス  「はい、調べてみると基板実装型のトライダルトランスは115v:22vが最高電圧だったのでこういう機能も便利かなって。」

みみずく 「低電圧大電流用のトランスを使うという選択肢もできるしいいんじゃないか?」

ありす  「と、いうわけで、さっそくアートワークをして工場に発注したいと思いいます。」

みみずく 「がんばれよー。」


(LDM2042をセンタータップ両派整流で使う)

アリス  「LDM2042の活用法としてブリッジ整流をセンタータップ両派整流へと変更する方法を思いつきました。」

みみずく 「センタータップ整流はブリッジ整流よりも1次側から2次側グランドへノイズが伝わり難いから状況によってはいいかもね。」

アリス  「ちょっと改造が面倒かもしれませんが興味があれば試してみてください。」


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