アリスの高音質プリアンプ基板

(ALP−mkU)

(ラインプリアンプ、RIAAフォノイコライザーアンプ、オープンリール再生NABイコライザーヘッドプリアンプ)


※基板が完成してリリースしました。

アリス  「手軽なプリアンプ基板のALP−1がディスコンになってしまったので、
      次はどうしようかなー、と思っていたんですけど、こんなものにしようと思っています。
      名前はALP−mkUです。」

みみずく 「手軽に使えるというのがALPのコンセプトだったはずだが、
      今回の基板はなかなかの力作になりそうだな。」

アリス  「プリアンプをつくりたいという人はそれなりに多いんですけど、
      アナログレコード再生用のフォノイコライザーアンプや、
      オープンリールテープ(アナログ磁気テープ)再生用のNABイコライザーアンプをつくりたいという人がいまして、
      せっかくなので、いいものにしようと頑張ってみました。」

みみずく 「ディスクリート入力回路を備える本格的なものなのでラインプリアンプとしても、
      イコライザーアンプとしてもかなり高い能力が期待できると思うぞ。」

アリス  「そうですねー、ディスクリート入力回路は目玉ですねー。
      ただ、オペアンプのみでも製作可能な設計にするので、自作になれていない人でも充分に扱えると思います。
      高音質なプリアンプをつくりたいけどディスクリートアンプは敷居が高いし、
      オペアンプの交換も楽しみたいという人にはぴったりのコンセプトだと思います。
      さぁ、頑張ってアートワークしないと。(基板の原板がまだできていない)
      というワケで、以下、ALP−mkUの概要などです。」


【ALP−mkU : 高音質なセッティングが可能なプリアンプ基板 】

( 主な用途 )
 ・ラインプリアンプ
 ・アナログレコード再生用のRIAAフォノイコライザ 兼 MCヘッドアンプ
 ・オープンリール磁気テープ再生用のヘッドアンプ(NAB、CCIRイコライザー)


( 概 要 )
 ALP−mkUは高性能なディスクリート入力回路とオペアンプを使用した、
 高音質なセッティングが可能なプリアンプ基板です。
 ディスクリート構成の入力回路はプロ用のレコーディング機材などにはよく使われています。
 入力をオペアンプ単体で受けるよりも、
 ローノイズなディスクリート素子を使った入力回路で受けたほうが有利な場合があるためです。
 ALP−mkUでは入力素子としてJ−FETとバイポーラトランジスター(BJT)のどちらも使うことが出来ます。
 キレのあるJ−FET、シルキーなBJTと音にも特徴があるので、
 それを活かしたセッティングに仕上げることができます。

 また、ALP−1ではオマケの拡張機能だったRIAAフォノイコライザーブロックを大幅に強化して、
 ALP−mkUではメイン機能のひとつとしました。
 ALP−mkUはアナログレコード再生用のRIAAフォノイコライザーヘッドアンプと、
 磁気テープ再生ヘッドに直結して使えるNAB(CCIR)イコライザーヘッドアンプを実現可能です。
 もちろん高性能高音質なラインプリアンプとして使えることも重視しています。
 プリアンプ、パワーアンプ間のラインケーブルの駆動などに威力を発揮するでしょう。

 ALP−mkUは単回路と双回路のどちらのオペアンプを使うことも出来ます。
 そのため市販のほとんどのオペアンプが使用可能で、差し替えによるチューニングも容易です。
 多様な回路構成とセッティングが可能で、求める音質を追及することができます。
 併せて充実した電源システムを備えており高レベルの音質を実現可能です。
 特に電源レギュレーターをチューニングすることで更なる高音質化を目指すことも出来ます。


( 特 徴 )
 ・ディスクリート入力回路(J−FET入力もしくはバイポーラトランジスター入力)
 ・入力はアンバランスもしくはバランス
 ・左右独立電源、左右グランド独立(モノツイン) → モノラル基板に
 ・ローカルレギュレーター搭載
 ・オペアンプは単回路、双回路モデルの両方の搭載に対応
 ・アナログレコード再生用のフォノイコライザーアンプと磁気テープ再生用のヘッドアンプを実現可能
 ・ラインレベル出力なのでプリアンプやプリメインアンプに接続して使えます。
 ・可変抵抗器で音量調整可能なので
  音量調整機構の装備されていないパワーアンプに接続して使うことも出来ます。
 ・出力レベルは+4dBu(業務用ライン)、-6dBv(民生用ライン)、
  -10dBv(民生用ライン)等にセッティング可能


( 補 足 )
 ●磁気テープ再生用ヘッドアンプ(NAB特性イコライザー、CCIR特性イコライザー)
   ・再生磁気ヘッドに直結して使用します。
   ・回路方式はNF型(アクティブ型)とCR型(パッシブ型)に対応し、それぞれ追い込んだセッティングが可能。
   ・テープのコンディションに合わせて時定数(イコライザーカーブ)の調整が可能。
   ・イコライザーカーブはテープスピード9.5cm/s、19cm/s、38cm/s に対応するNAB特性もしくはCCIR特性でセッティングが可能。
   ・DC低周波カットカップリングを設置するためのポイントを多数用意しており納得のいくセッティングがしやすい。

 ●アナログレコード再生用のRIAAフォノイコライザー 兼 MCヘッドアンプ。
   ・RIAAフォノイコライザーはNF型(アクティブ型)、NFNF(アクティブ2段型)、
    CR型(パッシブ型)、NFCR型(ハイブリッド型)を実現可能。
   ・レコードディスクのコンディションに合わせて時定数(イコライザーカーブ)の調整が可能。
   ・DC低周波カットカップリングを設置するためのポイントを多数用意しており納得のいくセッティングがしやすい。


アリス  「回路の概略図です。」

みみずく 「ALP−1のコンセプトを引き継ぎつつ、様々なセッティングが出来るようにしてあるようだな。」

アリス  「自由度は増やしたいんですけど、やりすぎると扱いにくくなるので悩むところです。
      もちろん第一目標は高音質であることです。
      以下はその為のディスクリート入力回路の概略です。」

みみずく 「入力素子にディスクリートのJ−FETと※BJTが使えるようになっているのはメリットが大きい。
      この二種は特性も音質も全く異なる。使い分けは非常に面白い。
      目的別にローノイズかつ高音質なアンプをつくるためにも有益な方法だな。」
      ※バイポーラジャンクショントランジスター、所謂トランジスターのこと

アリス  「この入力回路はディスクリート構成の差動回路なので素子には選別品が必要です。
      選別作業なんてやってらんないぜ、オラッ!という諸兄のために、
      一応、素子のばらつきを吸収するオフセット調整機構を用意するつもりですが、
      自作家たるもの、そんなものに頼ってはいけません。
      怯まずに選別作業に挑みましょう。
      これは努力目標ではありません。

      自作を嗜む者の義務です。自作を嗜む者の義務です。自作を嗜む者の義務です。

みみずく 「そうだな。これは義務だな。」

アリス  「まー、ディスクリート入力回路が不要な場合もあると思いますのでバイパスできるようにはしておきますね。」

みみずく 「高音質のためには入力回路単独で電源回路を設けた方がいいな。」

アリス  「あ、そうですね。そのようにアートワークしたいと思います。(まだできていない)」


アリス  「ここで、突然ですが、仕様変更のお知らせです。
     基板の応用についてのお問い合わせなどを検討しているうちに以下のように仕様変更することにしました。」

     ・ステレオ基板ではなく、モノ基板とする。
      ステレオ構成、モノツイン構成、独立モノラル構成、マルチチャンネル構成が可能に。

     ・ボリュームコントロール用の可変抵抗器をオンボードからアウトボードへと変更する。
      前記にあわせた措置。

アリス  「便利な基板なので応用範囲を広げようと思ってこうなりました。
      楽器やマイク用のプリとしても使おうという目論見もあったりしまして。」


アリス  「アートワークがほぼ出来上がりました。
      今回も例によって時間かかっちゃいました。」

みみずく 「かなり仕様を追加したから大変だったんじゃないか?」

アリス  「そうですねぇ。何度もアートワークを書き直しましたからねぇ。大変でした。
      しかし、その甲斐ありまして、配線パターンもかなり吟味されてますし、
      いいモノになりそうですよ。ふっふっふー。」

みみずく 「頑張り次第で、かなりハイレベルなアンプをつくることが出来そうな基板だな。
      フォノアンプやNABアンプ、マイクプリなど、つくり方はわかっていても面倒で気後れするようなものを、
      確実に完成させることができる。
      一般的な製品レベルと同等以上のものを製作可能な構造なので、
      この基板があると、正直、個人的にも何かと助かるな。
      私も使ってみるのが楽しみだよ。」

アリス  「あとはデバッグを残すのみです。
      ミスが無いようにしなくっちゃ。」


アリス  「改良点や特徴をちょこちょこ追記しますね。」

●電源システムの改良
  初段ディスクリート回路、前段オペアンプ、後段オペアンプのそれぞれに
  専用のレギュレーターを搭載して個別給電ができます。
  非常に贅沢な電源システムなので、高品質のレギュレーターを使うことで、
  各段の回路の能力を引き出すことができ、とても高音質なアンプを作り上げることができます。

●入力インピーダンスの調整機構
  MCカートリッジ、テープヘッド、マイクなど、コイルの起電力を信号源とするものは、
  その負荷となる受け手機器の入力インピーダンスで周波数特性が大きく変動します。
  そのため、音質を追い込むためにはヘッドアンプ(プリアンプ)の入力インピーダンス微調整が必須です。
  というわけで、入力インピーダンスを容易に調整可能な構造を取り入れました。

●バランス入力での仕様を強化
  当初はオマケでバランス入力も出来るようにしておこー程度に考えていたんですが、
  設計と検討を重ねるうちに、案外、バランス入力で使うことも多いのではないか?
  と、考えるようになりました。
  で、バランス信号の扱いを格上げして、アートワークなども強化しました。

 

アリス  「個人的には、高音質なラインプリアンプの製作はもちろんですが、それ以外にも、

      こだわりのバランス入力MCヘッドアンプ兼RIAAフォノイコライザーアンプとして、
      低出力タイプのMCカートリッジからのバランス伝送信号を
      ローインピーダンスでダイレクト受けしたり、

      オープンリールの磁気ヘッドからバランス信号を取り出して、
      精密にインピーダンスチューニングをしたNABアンプで受けたり、

      そんなことにチャレンジしてもらいたいですね。」


アリス  「アートワークのデバッグが終わりまして、やっと工場に発注することができました。
      納品が楽しみです。」

みみずく 「今回も大変だったようだねぇ。お疲れさま。」

アリス  「いつもながらに大変でした。
      ほんとにアートワークには時間がかかります。
      絶対に失敗できないし。それでも失敗するもんですが…」

みみずく 「それはそうと、ALP−mkIIは高機能で用途が広いので使い方の説明が難儀なんじゃないか?」

アリス  「そうなんですよねー。マニュアル書くのが気が重くって…
      とはいえ、ちゃんとベストなセッティングを考えます。」

みみずく 「大変だろうが、私も協力するので頑張ってくれ。」

 

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