アリスのディスクリート入力回路付き
高音質プリアンプ基板

(ALP−mkU)

(ラインプリアンプ、RIAAフォノイコライザーアンプ、オープンリール再生NABイコライザーヘッドプリアンプ)


【 全体回路 】

アリス  「ALP−mkIIの全回路図です。電源回路は別ページに掲載します。」

 ※クリックすると大きな図面が開きます


【 各部の機能と説明 】

  • 1xブロック : 入力回路、バランス入力用オペアンプ

    入力はふたつあります。
    +INは非反転入力です。アンバランスで使うときはこちらを使います。
    −INは反転入力です。バランス入力の時はこちらも使います。

    素子11番から16番で入力インピーダンスの調整を行います。基板上では「E11」のように表示されます。
    11−16には抵抗やコンデンサーを使います。
    JP11は素子の選択と組み合わせを、JP12は対地インピーダンスと線間インピーダンスの切り替えを行います。
    アンバランス入力では接地インピーダンスで使います。
    「JP」には通常はジャンパーポストとジャンパーピンを使います。

    17,18にはカップリングコンデンサーの使用を想定しています。JP13,JP14で有効無効を切り替えます。
    1B、1Cの接地抵抗と組み合わせてDCカットやサブソニックフィルターとして使えます。
    ここはバランス入力時に使うことを想定しています。

    IC11はバランス入力用オペアンプです。双回路オペアンプを使います。
    1D,1E,1Fはインスツルメンテーションアンプ(計装アンプ)を構成する抵抗です。
    JP15,JP16で直接入力と計装アンプ入力を切り替えます。

    19,1Aはアンバランス入力時にはDCカットやサブソニックフィルターとして使えます。
    アッテネーターとして使うことも可能です。
    計装アンプ使用時には構成要素になります。
    JP17で19のバイパスと導通を選択できます。


  • ディスクリートブロック、2xブロック : ディスクリート初段回路、前段オペアンプ

    SW1−3は初段ディスクリート回路の有効化とバイパスを切り替えます。
    小型のスライドスイッチが使えます。ジャンパーポストも使えます。
    切り替え時には電源は切っておきましょう。

    R1−R6は入力抵抗です。信号源インピーダンスの調整に使います。

    Q1,Q2ペア もしくは Q3,Q4ペア のどちらか片方をソケットなどで差し替えて使用します。
    両方取り付けてはいけません。
    ペアは特にQ1,Q2には高精度の選別ペアリング品を使ってください。
    Trimは半固定抵抗器で、ペアバランスの微調整を行います。
    ペアリング品を使わずに、Trimで強引にバランスを取って動かすことは可能ですが、
    数kHz以上で簡単に差動バランスが崩れるのでお勧めはできません。

    Q5,Q6,R9,R10は差動用の定電流回路です。
    抵抗のみにするもよし、Q6をツェナーにするもよし、R10をCRDにするもよし、このあたりはお好みで。

IC21には単回路オペアンプを、IC22には双回路オペアンプを、どちらか片方だけ実装します。

素子2x(21−27番)は帰還回路を構成します。

JP22は半固定抵抗器Rx20を使用した微調整回路の有効無効を切り替えます。

27にコンデンサーを使うことで低域のゲインを落とすことができます。(パッシブDCサーボ)
JP24で機能の有効無効を切り替えます。

JP21はアンバランス入力時にはOFFに、バランス入力時にはINVにセットします。


  • 3xブロック : 可変抵抗器、パッシブフィルター

    VRは音量調整用の可変抵抗器です。10kR Aカーブ あたりが良いでしょう。
    大型のものはオンボードに実装できませんので、ケースパネルに取り付けて配線してください。
    ALP−mkIIの基板上VRの 1,2,C に下図のように配線します。
    JP31で有効とバイパスを切り替えます。

    素子3xはパッシブフィルターを構成します。Rx30は時定数微調整回路用です。
    JP32で切り替えて使用します。

    37,38はDCカット用ハイパスフィルターとして想定しています。
    高利得時に役に立つかもしれません。


  • 4xブロック、5xブロック : 後段オペアンプ、出力回路

    IC41には単回路オペアンプを、IC42には双回路オペアンプを、どちらか片方だけ実装します。

    素子4x(41−47番)は帰還回路を構成します。

    JP41は半固定抵抗器Rx40を使用した微調整回路の有効無効を切り替えます。

    47にコンデンサーを使うことで低域のゲインを落とすことができます。(パッシブDCサーボ)
    JP43で機能の有効無効を切り替えます。

    素子5xは出力回路です。
    DCカットフィルターを構成したり、用途によっては出力インピーダンスのセッティングを行います。


  • オマケの機能 : IC42の出力バッファー化

    IC42(双回路オペアンプ)の休止回路を出力バッファーとして活用する機能です。
    IC42限定のオマケ機能で、JP51を「B」にセットして使います。
    高利得設定でなおかつ低い出力インピーダンスが欲しい時に有効な方法かもしれません。
    このときにはIC41(単回路オペアンプ)は使えませんので注意が必要です。

    通常はJP51を「A」にセットして使います。


  • パスコン

C1−12は電源ラインの負荷直近のパスコンです。
0.01−0.22uF程度のフィルムコンデンサーやセラミックコンデンサーが良いでしょう。


  • シャーシーアース

ALP−mkIIにはシャーシーアースの接点がFG1−5の五ヶ所あります。
一か所接していれば充分なので任意の場所を使ってください。


 

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